日焼けについて
この夏休み家族サービスを兼ねて沖縄に旅行しました、4日間で真っ黒に日焼けしてしまいました。いつもは患者さんになるべく日焼けをしないよう勧めている皮膚科医の私も開放的な沖縄の雰囲気に巻き込まれ太陽のお土産を貰ってしまいました、そこで私のブログデビューは「日焼けについて」お話ししたいと思います。
ご存じのように生物が生きていく上で日光は欠かせません、光合成による酸素の供給や赤ちゃんの日光浴による骨の発育促進はよく知られていますが、最近ではお年寄りの骨密度の低下予防のためにはビタミンDを適切な日光浴によって創生することが重要であると解ってきました。
またある種の皮膚疾患の患者さんにも日光浴は有効なのです。こうした素晴らしい効果がある半面、日光に含まれる紫外線により皮膚がんが発生するリスクが高いことが医学的に証明されてきました。
まず日焼けはどうして起きるのでしょうか、日光は赤外線(42%)可視光線(52%)紫外線(6%)の割合で地上に到達しています、紫外線は波長の長いA波と短いB波にわかれています、日焼けは強力なB波によっておもにおこされます。
日焼けは紫外線による皮膚の急性反応で、20歳ごろまでは何の後も残さず消滅しますが、それ以後は繰り返すと光老化とよばれるシミやシワの原因となります。真夏の炎天下であれば20分ぐらいで肌が赤くなってしまう人もいるぐらい強烈な刺激です。紫外線が皮膚細胞の遺伝子に吸収され遺伝子DNAに多数の傷をつけますが、若い時は自然に修復したこの傷が年を経るとともに正常に修復されなくなりシミや腫瘍といった皮膚の異常を生じると言われています。
若い時には大丈夫でも20歳を超えたら紫外線対策は必須、外出時はもちろん家の中でも紫外線のA波はガラスを透過しますので日焼け止めやクリームによりしっかりとしたUVケアを心がけてください。日焼け止めに表示されている効果を表すSPF値ですが、あまり高いものを塗ると皮膚炎をおこしやすいのでSPF20くらいのものを繰り返し塗布するのが良いでしょう。